基本的計算方式

基本的には、送信電力から伝搬損失を差し引き、更に空中線系損失を考慮し、受信電力を
算出してします。(受信設備を想定しない時は、ERPで)

  損失計算は周波数や用途により、複数使い分けています、HF用・放送用・自由空間損失を基本とした物、
  近似式(奥村・秦)・多重用を使った物などです。

1.VHF/UHF固定回線の標準的な損失計算方法としては下記の通りです(本システムでは標準方式と呼んでいます)

  (固定回線・サービスエリア・見通図併記用)


    基本の部分のみ、実際はもっと複雑な操作をしています(多重回折や各損失間の関係補正修正等)

  -1.自由空間損失

  -2.遮蔽損失
     フレンネルの刃形回折公式より
     以前は地形(自動)及び建物高(手動)よりの算出でしたが、
     2018年版(2017年版は試用)より、建物の高さも自動で計算されます。(日本国内[RVMX提供データより詳細建物高]と全世界対応)


  -3.反射損失
      曲面反射による発散係数及び位相補正係数(偏波面も考慮)を含む

  -4.その他損失
      平面大地損失
      球面大地遮蔽
      大気圏散乱(OH)損失

   以上の損失及び未知要素として土地係数を考慮して、電波伝搬損失を算出しています。

2.放送用計算方式(固定回線・サービスエリア・見通図併記用)

  自由空間に於ける電界強度=20log(222sqr(電力*空中線効率)/距離)-(空中線系損失) dBμV

  空中線系損失:空中線利得・空中線角度損失・フィーダ損失・その他損失(合成分配等)
  ただし、FM(300MHz以下)ではチルト角損失は含まれていません。

  遮蔽・反射・平面大地損失を考慮した電界強度 =自由空間に於ける電界強度-(遮蔽+反射+平面大地損失)dBμV

  最終的にmv/mに変換し判定

  損失計算方式は別紙参照(ただし、自由空間損失は放送の場合は使っていません)

3.奥村・秦近似式(サービスエリア用)

  下記エリアに分けて、近似式を使用します。

   -1.大都市

   -2.中都市

   -3.郊外地

   -4.開放地

   但し、本近似式は、街中のビルの上等に設置した基地・中継局を想定した小エリア用の物と思われます、

   その多くは、建物の影響を考慮した実験より求めた近似式です。

   (運用には注意が必要です、山の上の中継局や広範囲のエリアには不向き)

   又、本計算では遮蔽損失も付加しています。

   (システム内で、標準方式との比較カーブも見えます。)

4.中波・長波損失計算(中波・長波シュミレーション用)

   大地の導電率を元に計算しています。

   又、導電率は地形より自動判別しています。

5.多重無線用(多重無線用)

   多段反射板・降雨減衰対応。

6.レイトレーシング(サービスエリア用)

   屋外用と屋内用が有ります。

   標準方式に加えて、屋外では建物の外壁の反射や降雨減衰・屋内では壁などの反射や透過計算を行います。

.その他 空中線角度損

  空中線の角度損失は登録制になっているため任意に出来ます

   また、複数空中線の自動合成機能もあります

.VHF実回線との検証

   非常に多く(数千回線)の実回線(国内・海外=各種緯度)での検証を長時間(38年以上・各季節)かけて行い、補正機能も組み込み済みです

.電波障害確認

   新規建築物の重要回線への影響確認(法律で規定されています)・風車発電などの構造物による既設回線への影響確認機能です。

10.電離層伝搬

   SWSより取得した現在の電離層状態データを元に、到達範囲を予測します。


提供ソフトのQ&A
(有)RVMX
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