サウンド シュミレーションで遮音板機能
警報音等のサウンド伝搬シュミレーションへ遮音板機能追加
概要
サイレンやスピーカの音の伝搬シュミレーションV2へ遮音板追加機能です。
警報音にはダム放流警報や導水路吐口・発電所放水口・他等のように警報方向が特定されるものが有り、その以外の方向へは騒音として扱われる場合があります。
目的外方向の音圧を下げる遮音板(防音壁)シュミレーション追加機能です。
本機能は、2015年版は試用期間となり、2016年版より参考機能と成ります。
1.利用方法
-1.メニューの表示
画面の下方(データ入力パネル)でマウスを右クリックしてコンテキストメニューを表示
-2.遮音板追加(複数可能)
a.地図より追加 メニューの地図より追加(連続パネル可能)をクリックし、地図上でマウス指定(事前に警報局の緯度経度は設定しておく必要があります)
位置をマウスでクリックすると確認音がでます、出ない時は再度クリックして、終了時に地図を閉じて下さい
続いて、遮音板の高さ(音源に対して、上端の高さと下端の高さ)及び、*1透過損失(透過と吸音も含む)、名称は複数の時の識別用(空白でも構いません)を設定
b.数値で追加 メニューの数値で追加(単体パネル)をクリック(事前に警報局の緯度経度は設定しておく必要があります)
距離と方位及び幅を指定
a.と同じく遮音板の高さ(音源に対して、上端の高さと下端の高さ)及び、*1透過/吸収損失(透過と吸収も含む)、名称は複数の時の識別用(空白でも構いません)を設定
c.CSVファイルに設定 3.CSV遮音板登録フォーマットを参照
-3.確認(遮音板が無い時は無効) 配置した遮音板を地図で確認
遮音板は緑の線、+は音源
-4.変更(遮音板が無い時は無効) 配置した遮音板の諸元を変更(位置は変更できません、位置を変更時は一度削除後再作成となります)
遮音板が複数ある時選択画面が出てきます、1枚の時は出てきません
遮音板の高さ(音源に対して、上端の高さと下端の高さ)及び、*1透過損失(透過と吸音も含む)、名称は複数の時の識別用(空白でも構いません)を変更可能
-5.ファイルより読込み 遮音板ファイル(拡張子はssw)より読込み
-6.ファイルへ保存(遮音板が無い時は無効) データを遮音板ファイル(拡張子はssw)へ保存
-7.削除(遮音板が無い時は無効) 遮音板を削除
3.CSV遮音板登録フォーマット
-1.項目名は[遮音板]
-2.設定データ
ア.ファイル指定 頭に f:を付けて指定(ファイルは本システムで保存して遮音版ファイルで拡張子はssw)
ファイル指定にはフルのアドレス指定とファイル名のみ(CSVと同じフォルダーに配置の時)の指定及び無指定(ファイル名が局名と同じとき)があります。
イ.データ指定 遮音版ファイルの中身のみを直接指定、子の時はデータを"(ダブルコーテーション)で囲ってください。
CSVのその他フォーマットは基本機能参照
4.遮音板設置例
-1.塗りつぶしで実施、指定方向の音圧カーブも同時に表示した例
5.その他
-1.*1:遮音板の透過損失について、遮音板の性能は一般的に透過損失(遮音率)と吸収(吸音)率で表せます。
透過損失は遮音板自体を振動させて反対側へ再放出する時の損失で、遮音板の単位面積当たりの質量に比例します。よって、重量が重くなります(コンクリート壁等)。
また、吸音率は遮音板自体で音のエネルギーを吸収し、通過や反射するレベルを抑えます。
グラスウール・等を遮音板の中に入れたもので、軽量ですが透過損失よりは減衰は少ないです。
本シュミレーションでは、透過損失と吸音に依る減衰を合わせたものを設定(通過時の損失=遮音板入力音圧/遮音板出力音圧)するようにしています。
また、透過損失や吸音率は周波数特性がありますが、警報で使う周波数帯では固定で問題ないと思います。
(音響設備などでは低音から高音まで範囲が広いため注意が必要ですが)
-2.遮音板での損失は、通過するレベルと上下左右より回折して回り込むレベルを合成して算出しています
よって、全体のバランスより遮音板の型やサイズを選択する必要があります。(透過損失のみ大きいものを選んでもサイズが小さくて回り込みが多いと意味がありません)
また、遮音板近くでは透過損失(通過時の損失)によりますが、離れると回折による回り込みレベルが増加して効果は少なくなります。
-3.遮音板の設置について
スピーカやサイレンが屋上や堰堤などの場所に設置しているときは、重量のある透過損失型でも可能であるが、
柱の上に設置しているときは、軽量型の吸音率による減衰タイプになると思われます。
その固定は風圧荷重が大きく成る為、複数本(3本柱等強度計算による)の柱で固定する様になると思います。
-4.遮音板の効果について
人間の耳は非常にダイナミックレンジが広く、高レベルの音から低レベルの音まで認識できます。
よって、遮音板による減衰効果も数値の効果ほど人間は認識しないかもしれません。
しかし、対策をしているとの認識や音源が見えなくなる等の視覚に依る効果の方が大きいかもしれません。
-5.本機能は参考機能の為、サポートはありませんが、ご希望は受け付けます。
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